いつものように前節の振り返りから。
前節はBリーグのチャンピオンシップ決勝にヒントを得た起用などを行ったが、金子翔太の
アシストどまり。得点者を起用する事はできなかった。
前回の記事は普段に比べてアクセス数が増えており、これもこのチャンピオンシップの件が影響
(当ブログをバスケット関係のブログと思った方の閲覧があった)したのではないかと考えている。
優勝が決まった第3戦目は競技の垣根を越え、広島のホームの「エディオンピースウイング広島」
でパブリックビューイングが開催され、およそ7700人が観戦したとの事。当ブログはバスケに
ついては体育の授業でやった程度で詳しくないが、最近の人気の盛り上がりには驚くばかりだ。
また、先週末はラグビーのリーグワンの決勝も行われていた。国立競技場に5万6486人もの
大観衆を集めて熱戦を展開。Bリーグの決勝は第3戦までもつれこんだが、こちらも大接戦。
試合終盤に逆転トライが飛び出したかに見えたが、ビデオ判定の結果、取り消しになるという
劇的な結末になった。
前節はこのラグビーのリーグワンからの起用も行えばよかったかな? と思っている。
両リーグともこれからシーズンオフに入るので「すぐに」という訳にはいかないが、
今後はこうした他球技の動向にも目を配り、面白い起用を行っていきたいと考えている。
さて、以下からが考察。まずは「対戦相手に相性が良さそうな選手」から。今回は横浜Mの
天野純がこの枠からの起用になる。
今節は鹿島との「オリジナル10対決」になるが、天野は15試合(941分)で4得点を記録
している。惜しくもACL優勝は逃した横浜Mだが、水曜日は延期となっていた柏戦に臨み
4−0 で快勝。最高の形で再スタートを切れたようだ。
天野もこの試合に先発出場。76分までプレーしてチームの勝利に大きく貢献している。
横浜Mの中盤は激戦区でレギュラー確定と言えるのは喜田拓也と渡辺皓太の2人程度。
今節も水沼宏太やナム・テヒといった同世代の選手に加え、山根陸、榊原彗悟という
若手選手との競争になるが、前節の内容を鑑みると2試合連続で天野の先発は十分に
考えられる。今節は好相性の鹿島戦で2021年以来となる久しぶりのゴールを挙げて
くれるだろう。
横浜Mにはもう1人、13試合(716分)で3得点と鹿島に相性が良い山村和也がいるが、
残念ながらこの山村は今節のプレーの期待薄。ベンチ入り選手として待機させておくが
抜擢起用のニュースがない限りは起用しない予定だ。
ベンチ外濃厚だが、柏のフロートが巡り合わせ的には非常に面白い選手になる。
フロートは昨年、柏に加入した選手。193p・99sという堂々たる体格を誇り、
攻撃でのターゲットマン的な役割を期待されていたと思うが、来日後のここまでは
カップ戦を含めてもわずか3得点。今年はまだ得点がなく、「期待外れ」という表現を
使わざるを得ない現状だ。
だが、今節はその3得点のうち、カップ戦ではあるが、2得点を挙げた福岡戦になる。
残りの1得点はリーグ戦で記録されているが、その得点は今節と同じ「第17節」に
記録されたもの。自身の背番号も「17」だ。今節は中3日での試合であるうえ、前節が
無得点で完敗。悪い流れを変える1つの手として、このフロートの起用があればと
期待を寄せている。
対戦カードからの起用は 湘南−G大阪 から。ここからは2名を起用している。
湘南からの起用は鈴木雄斗になる。このカードでの湘南の得点者が町野修斗(2023年)
山本脩斗(2022年)中川寛斗(2020年)三竿雄斗と下田北斗(2016年)といったように、
名前の最後が「斗」で終わっている選手の得点が続いている点に注目したものになる。
なお、FWの鈴木章斗も該当者だが、前節ベンチ外だった事に加え、FWの起用枠(3人まで)
の問題があり、今回は起用を見送っている。
対するG大阪からはイッサム ジェバリを起用する。昨年から日本でプレーをしている選手
だが、来日初ゴールを第6節の湘南戦で記録。第24節の対戦でもアシストを記録しており、
対湘南は好相性のようだ。昨年の第17節では2得点を挙げている事もあり、期待できそうだ。
以下からは別の視点から。ここでは広島のスタジアムジンクスに注目した起用になる。
キーワードは「チームの顔」。広島のホームゲームでは同一チームに長く在籍している選手
(目安として10年以上)の得点が目立っているのだ。ちなみに在籍歴が長い選手は
この記事で紹介されているので、興味がある方はご確認いただきたい。
過去の該当例だが、2020年の第19節ではG大阪の倉田秋が「エディオンスタジアム広島」で
ゴールを挙げている。倉田は2007年〜2009年と、2012年以降のシーズンをG大阪でプレー
しており、得点時の2020年はG大阪で12年目を迎えていた選手だった。
倉田は現在もG大阪でプレーしており、在籍16年目となる選手だが、これを上回るのが
遠藤保仁氏。2001年から磐田へ移籍した2020年途中までG大阪に所属していたが、
この遠藤氏にも2017年の第21節に該当のゴールがある。
札幌の宮澤裕樹もこのジンクスの該当得点者になる。2008年にプロとなった宮澤は札幌一筋。
今年で17年目を迎えている。中盤で試合を作るタイプで得点が多い選手ではないが、
不思議とアウエー・広島戦には相性が良いようで、2022年の第33節と2020年の第30節で
得点を記録している。
また、記事のランキングで2位となっている城後寿の記録が面白い。今年で福岡19年目と
なる城後だが、現時点でJ1リーグ戦・最後の得点は2016年の2ndステージ・第16節まで
遡る必要がある。そして、この得点がやはりアウエー・広島戦で記録されたものなのだ。
他の引退した選手の中にもこうした傾向がある。2003年から2022年までの現役生活を
柏でプレーし続けた大谷秀和氏が2017年の第5節でゴール。2004年〜2019年など
長く仙台に所属した梁勇基氏も同じく2017年の第8節で該当のゴールを挙げている。
そして、実は今年もこの傾向に沿ったゴールが第10節で生まれている。得点者は
川崎の小林悠で、小林も2010年から現在まで川崎でプレーを続けており、ジンクスの
有資格者だ。(カップ戦を含め、現時点で今年唯一の得点である点にも注目したい)
今節、広島と対戦するのは磐田になり、このジンクスに該当する選手が2名いる。
1人はDFの小川大貴。2014年に磐田に入団し、ここまで移籍の経験はなし。
今年で在籍11年を数える選手になる。
DFのレギュラー番号である「5」を背負う小川だが、今年のここまではわずか3試合
(75分)のプレーに留まり、第14節以降はベンチ外が続いている。正直、今節の
プレーもないと思うが、兎にも角にも起用しない事には始まらない。ベンチ外の
リスクは織り込み済という事でメンバーに加えてある。
もう1人はMFの山田大記になる。山田は2011年に磐田に入団し、2014年途中から
海外挑戦。2017年のシーズン途中で磐田に復帰し、その後、現在に至るまで磐田
でプレーを続けており、磐田所属は約11年になる選手になる。
開幕節から第4節まで先発だった山田だが、左のもも裏を痛めて戦線を離脱。
第14節に復帰し、前節は2点リードされた場面から反撃の狼煙をあげるゴールを
挙げている。プレーは長くても70分程度に限定されそうだが、今節も「ここぞ」の
場面でゴールを決めてくれそうだ。
なお、小川と山田は広島のホームゲームで相性の良い明治大学出身(第3節で紹介)
の選手でもあり、この点からも期待している2名になる。
最後はまた別の視点から。ここではある条件の外国籍選手を起用している。
いつものように下表が近年の第17節で得点を挙げた該当の外国籍選手だ。
2020年に該当者は出なかったが、その他の年では毎年得点者が出ており、今年も期待できそうな
ジンクスと言えるだろう。さて、これらの選手達に当てはまる「ある条件」とは何だろうか?
答えは「レア外国籍」の選手である事。すぐ上で名前を出したG大阪のイッサム ジェバリも
この条件に該当した昨年の該当者なのだ。なお、「レア外国籍」については勝手ながら以下の
すべての条件を満たす国籍とさせていただいた。
1 「出生国」「他の国籍」のいずれかが、次の「2」「3」の条件に該当している事
2 1993年のJリーグ開設以来、その国籍の選手が10人までである事
3 今年のJ1で在籍しているのが多くても2人までの国籍
「1」の補足だが、外国籍選手は複数国籍を所持している選手がおり、その点を考慮した条件だ。
例えば2021年の得点者であるマルティノスが該当者。wikiによればマルディノスはキュラソーで
生まれ、いきさつは不明だが、オランダとキュラソーの二重国籍を所持しているようだ。
ちなみにリーグ公式の「選手名鑑」ではマルティノスの出生地は「オランダ」になる。当ブログは
リーグ公式のデータを原則とするが、経歴を確認すると2014年以降はキュラソー代表として
活動するなど、マルティノスのサッカー選手としての活動は「キュラソー」の方がメインだったと
思われる。
こうした点も鑑み、今回はマルティノスを始め、他の選手についても複数国籍を持つ選手は
いずれかの国籍が「2」「3」に該当していれば条件に合致する選手として扱っており、以下が
過去の得点者に国籍を付した表になる。(※ イッサム・ジェバリの国籍はチュニジアが正しい)
モザンビークやキュラソーがレア国籍であるのは想像できたが、ジョルディ・クルークスの
ベルギーが該当していたのは意外だった。W杯で対戦歴があり、また、シント・トロイデンを始め、
複数のチームで日本人選手がプレーするなど、サッカーではよく目にする国名の1つになる。
ブラジルや韓国には遠く及ばないにしても、ベルギー国籍の選手もある程度の在籍はあると
思っていたが、Jリーグ創設以来わずか4名のみ。ベルギーとナイジェリアの二重国籍を持つ
ピーター・ウタカを含めても5名に過ぎない。(今年のJ1はクルークス1人のみ)
さて、「ここから誰を起用するか?」だが、該当者として真っ先に思い浮かぶのが、福岡の
シャハブ ザヘディ。加入時にはJリーグ初のイラン人選手として話題になった。ここまで6得点
を挙げ、得点能力が高いところを見せているが、ご存知のとおり公式戦で2試合連続退場と
なっており、今節は出場停止。起用しても意味がない選手になってしまった。
同じ福岡に所属する ナッシム・ベン・カリファ もスイスとチュニジアの国籍を所持しているようで
条件に該当する選手ではあるが、やはり3人のFW枠の関係があり、起用していない。
結果、ここから起用するのは2名。まずは広島のピエロス・ソティリウ。地中海にあるキプロス
出身の選手で、現時点では同国出身の唯一のJリーガーとなっている。昨年の第17節は負傷のため
一時帰国中で、プレーなし。このジンクスから起用するのは今回が初めてになる。
もう1人はG大阪のネタ・ラヴィで、この選手はイスラエル出身。やはり他の該当は見当たらない。
昨年は同じチームでジンクスに該当するイッサム ジェバリがゴールを挙げており、これに続く形
のゴールを期待している。
また、上で名前を挙げた柏のフロートもオランダとスリナムの二重国籍を有する選手であり、
スリナムがレア国籍に該当している。ベンチ入りが最大の難関だが、プレーがあれば非常に
期待できる選手である事を改めて強調しておきたい。
2024年05月30日
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